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Rintaro Akamatsu Piano Collection Vol.4
Les prières 祈り

2020/11/27発売

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定価

発行日

レーベル

配信サービスによる

2020年11月27日

Office La PARADE

情報

収録日=2020年6月26日~28日
収録場所=Studio PARADE
使用楽器=YAMAHA C7
エンジニア=谷崎洋昭
調律=谷内尾誠

形態

インターネット配信https://lnk.to/PianoCollection_Vol_4

演奏の個性はどこに現れるのだろうか。
音色の多彩さ,高度な技術,盤石の安定性,豊かな表現力。

今回の赤松林太郎さんの演奏において聴き手の私が出会う彼の個性は、とりわけ音の生み出される瞬間だと感じた。赤松さんの音は、それが打鍵によって発音されるほんの少し前から打鍵のその瞬間を経て、音が立ち上がり,鳴り響くまでの間に大きな特徴があるように思う。そこに時折何か名状しがたいもの、あえて誤解を恐れずにいえば、思索のための意図的な「ためらい」のようなものが聴こえることがある。それは未熟な人が適切な方法を選べずに迷っているのではなく、退路を断ってつねに未知の世界へ挑み続ける孤高の藝術家のみが知る,正解も真理もないなかでの、一つ一つがかけがえのない重い歩みのことである。
思索のための「ためらい」—それは問いだろうか。もしその問いに答えがあるとすれば、それは少なくとも問いの数だけ存在し、その答えは同時に新たな問いを生む。
あるいはそれは静かな祈りへとつながるものだろうか。問いから生まれた答えが新たな問いになるとき,人は問うことしかできなくなる。その問いから祈りまでの道のりは、藝術家にとってそう遠くはないような気もする。
ここに収められた作品を通して、演奏者は祈っている。
赤松さんと私は年も近く、会えば互いに音楽談義に花を咲かせたりする。会わなくても、その旺盛な活動はつねにどこからとなく知らされ,刺戟を受ける。彼は無限の底力をもつ鉄人で、演奏や教育にこのうえない情熱を注ぐ姿は圧倒的だ。それでいて優しい。強くて優しい。このアルバムでは,赤松さんの優しさに聴衆の一人一人が静かに向き合い、その優しい音に自然と心を委ねることになる。
今回の録音で赤松さんは確かにピアノを弾いているのだけれど、ピアノ「を」弾いている感じではない。歌曲からの編曲が多く含まれていることからもそれは窺える。リサイタルやコンクールで聴かれるものとはまた違った音楽の姿がここにある。〔西尾洋〕

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